2020年1月31日

報告②:いろいろいろを楽しむ演劇Project 演劇ワークショップ@高知県立盲学校

「報告①」のワークショップに続いて、

今回は中学部、高等部の4名の生徒さんと一緒に行ったワークショップのご報告。

※前回の報告はこちらから→

 

人数もぐんと減って、学年もあがったので、内容もかわります。

 

ですが、最初のウォーミングアップは同じものも。

まずは「キャッチ」からです。

先生にももちろん(笑)参加してもらいました。

 

みんなで輪になって

左手を人差し指1本たてて、

右手はおさらに。

 

幼稚部・小学部・中高等部の時とはちがって静かな攻防戦が繰り広げられる感じ。

先生たちも若い4人の生徒たちに必死でついていきます(笑)

 

 

 

続いて「将軍ゲーム」。

体の各所に番号をつけて、その番号を言われた時に体の各所を触ります。

1:あたま / 2:ほっぺ / 3:かた / 4:おなか / 5:ふともも / 6:あしくび

 

ルールは幼稚部・小学部・中高等部の時と同じなのですが、

今回は輪になったまま隣の人の体の各所に触れていきます。

 

 

さらにルールを難しくして2カ所以上の番号を同時に触れていくようにすると…

みなさん、なかなか反応がよい!!

さすがです!!

 

 

 

頭と体、よい感じにほぐれてきたところで、ちがうゲーム。「YES」

 

シチュエーションはこんな感じ。

 

Aさんが座っています。

Aさんは動きたくない、立ち上がりたくない理由があります。

でも、BさんはAさんに動いてもらいたい、立ち上がってもらいたい。

そこで、Bさんはなにか理由をつけてAさんに自分で動いて立ち上がってもらえるよう言葉をかけます。

でもAさんはなんだか支離滅裂、不思議な返答をしてはぐらかそうとしてください。

もう一度Bさんははなんとか理由を考えてAさんに立ち上がってもらえるよう言葉をかけます。

Aさんは、もしBさんの声掛けに納得したらたちあがってください。

 

なかなか難しそうです。。。

Aさん役を先生に、Bさん役を生徒さんにやってみてもらいました。

 

B「先生、電話がかかってきたので立ってください」

A「耳が聞こえないんだよねー」

B「聞こえてるやん」

A「みかんが食べたいなー」

B「・・・校長先生からの電話ですよ」

A「!!(はっとした表情に急変!)じゃあ仕方ないなぁ…」

無事AさんはBさんの声掛けで立ち上がってくれました!

 

今回はBさんの機転の利いたうまい声掛けでAさんは立ち上がることができました。

でもちょっとAさんはドキドキして焦ってしまったかもしれませんね。

 

では次は、ルールはほとんど同じですが、

新たに、「BさんはAさんの言葉を決して否定、無視してはいけない」というルールを追加します。

さぁどうすればAさんはBさんを否定することなく、立ち上がらせることができるでしょう。

 

A「一緒にごはんを食べに行きたいので立ってください」

B「川へ石でも投げに行こうかなー」

A「私もそれについていきたいなー、一緒に行きませんか?」

B「水切りできるの?」

A「私ね、水切りの世界大会に出たことがあるんですよ」

B「ほんとに?じゃあ行こうかな」

 

Bさんの突拍子もない発言にうまくAさんがのって

今回はAさんもBさんも笑顔で楽しそうに立ち上がっていくことができました。

 

1回目と2回目、ちょっと声のかけ方をかえるだけで結果は同じなのに、

印象ががらっとかわりました。

 

 

 

普段の生活でも、誰かに何かをお願いしたいとき、

相手の気持ちよりも自分のお願いを優先してばかりだと

お互いちょっとギクシャクしてしまうこともあるのかも。

相手の気持ちを決して否定せず、受け入れながら、

どうやったら相手も自分も気持ちよくなるのかを考えながら

言葉を選んでいくことができるといいのかな。

 

「相手の気持ち、自分の気持ちを考える」ことの大切さを感じた上で、

次は小説の朗読をしてもらいまいた。

 

今回選んだ小説は太宰治の「走れメロス」

 

一部抜粋したところをみなさんで順番に朗読してもらいます。

主人公「メロス」と暴君とされる王「ディオニス」とのやりとりの場面。

それぞれどんな感情でセリフを言っているのでしょう。

 

それぞれ感情をこめて朗読します。

 

 

 

次はその場面の様子を少し想像してもらいます。

 

王ディオニスは玉座に座っている設定ですが、

どんな玉座にどんな姿勢で座っているのでしょう。

王様はどんなルックスなのでしょうか?

 

警備員に連れられて玉座の前に引き出されたメロスですが、

その警備員は何人いたのでしょう。

 

時間はいつ頃?朝?夕方?夜?

 

そ し て

このワークショップは次回に続きます!

演じるのは先生たち。

生徒のみなさんはその一場面の設定を考えて、演出をしてもらうことになりました。

さぁどんな設定を生徒たちは考えてくれるのでしょうか。

早くも次回のワークショップが楽しみです。

 

 

次のご報告を楽しみにお待ちくださいね。

 

藤岡さん、浜田さん、サカシタさん、

参加してくれた盲学校のみんな、先生、

ご協力いただいたみなさん、

本当にありがとうございました。

次のワークショップもどうぞよろしくお願いいたします!!