2021年3月1日(月)〜5月9日(日)

WARAKOH think and feel 東北 vol.4「10年目の今考える」

2011年3月11日から10年が経つ今、
改めて東日本大震災に向き合い、考える展覧会を開催します。

CONCEPT

2011年3月11日から10年。
東日本大震災は、東北地方をはじめ全国に住む人々の心や生活環境に大きな影響を及ぼしました。月日が経つと共に、東北地方から離れて暮らす人々は特に、震災への関心が薄れつつあるようにも感じますが、津波と福島第一原発事故による被害がもたらした問題の多くは未解決です。それらを少しでも解決・解消に導いていくためには、私たち一人一人が考えていくことが不可欠です。
また現在、新種のウイルスの世界的パンデミックもあり、社会の急激な変化も相まって、「考えること」「思考する力」がより一層必要になってきているようにも感じられます。

今、少し立ち止まり、この移り変わる暮らしの中でもう一度、東日本大震災に向き合う展覧会を開催します。
本展が、少しでも考えを巡らせるきっかけにつながれば幸いです。

「WARAKOH think and feel 東北」について

展覧会を通して東日本大震災を考える企画展シリーズ。2013年から藁工ミュージアム(高知県)にて開催しています。これまで、宮城県石巻市渡波地区のこどもたちとともにアートを通して心の復興をはかるプロジェクト「ワタノハスマイル」や、事故当時の風向きにより全村避難となった飯舘村に起こった出来事を伝える「いいたてミュージアム」、震災後に生じた福島県内の地域課題に取り組む「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」を紹介し、レクチャー等も行ってきました。

本シリーズを通じ、東日本大震災の記憶を伝えるとともに、南海トラフ大地震対策という高知県が持つ地域課題にも向き合います。

 

 

会 期:2021年3月1日(月)~5月9日(日) 10:00-18:00 火曜休館 

会 場:藁工ミュージアム(高知県高知市南金田28 アートゾーン藁工倉庫)

入場料:無料

 

*感染症拡大防止対策にご協力お願いします。

・体調不良の方は、ご来館をお控えください。

・ご来館時は必ずマスク着用の上お越しくださいますようお願いいたします。

・入館の際は、手指のアルコール消毒・検温等にご協力ください。

※緊急事態宣言等、国や県からの指示があった場合、開館時間等に変更が生じる可能性があります。

 

 

展示作品紹介 本展は主に3つの企画で構成します。

フォト&エッセイ公募作品

全国公募した「震災当時に感じたこと・気付いたこと」「どうしても忘れられない思い出」「今、伝えたいこと」などを表現した写真とエッセイを紹介します。東北地方で震災等による苦難を乗り越えた方の熱い想いや、東北地方への応援の意が込められた作品の他、北海道、静岡等東北地方以外にお住いの方々の感じたこと・考えることなど、地域や世代、職業等、全く異なる立場の方々がそれぞれの視点から捉えた作品が集まりました。

※公募作品は、展覧会終了後当館ホームページ内でも紹介。2021年5月10日(月)よりご覧いただけます。

 

 

清岡 明 (きよおか あきら) 絵画作品

清岡明は2004年から「作業所ら・ら・ら」(高知県吾川郡いの町)で絵を描いています。

主にマジックを使い、清岡が好む新幹線や女性などのモチーフが登場するほか、「防災」をテーマとした作品も描いてきました。鮮やかな色彩、平面的でありながら空間を多角的にとらえた構図に目を惹かれ、彼独自の具象物の表現方法やタイトルセンスに心奪われます。

2011年を機にした彼の心の変容は、作品にも影響をもたらしました。以降、進みゆく時間、移りかわる世情と同様に彼の心もうつろいながら、画面には防災への強い想いが描かれています。

本展では、知的かつユーモアあふれる作風の中に見える、東日本大震災に関連する事象について「いつも心にある」「自分と一体化している」と語る清岡の心の変遷を考察します。

「自主防災組織結成祈願(ら・ら・らホーム周辺)と笛を吹く美女シュテュワーデス」 2016年

 

西村 知巳(にしむら ともみ)  写真と文章

高知と東京に拠点を持ち、制作活動を行う西村知巳。写真に文章を添える作風に特徴があり、ポートレイトを中心とした写真と、小説のような独特の文体に趣があります。「写真の説明の為に言葉を用いているというより、写真で撮ったのと同じ事象を、言葉でもって追いかけている」と話す西村。彼にとって写真同様言葉もまた表現であり、単なる伝達のための記号ではないことが読み取れます。彼は、東日本大震災をきっかけに、2011年から福島県へ通うようになりました。おもに災害ボランティアを通して知り合った人達のポートレイトを撮影し、文章を書き起こしています。福島との関わりから10年経つ本展で西村は、福島での自身の活動を検証します。表現者として大きな災害に対し独自の視点を持とうとした彼の仕事は、観るものに何を投げかけてくるでしょうか。

「久之浜諏訪神社 宮司さん夫妻」 2021年1月

 

関連展示 『みつめつつユみ』2021藁工mix

高知県在住の映像作家・大木裕之による映像作品を上映します。

東日本大震災を機に2011年より制作を開始した作品『みつめつつユみ』を更新。

映像に映し出される大木自身の思考し続ける身体の軌跡から、「考えること」のきっかけを探求します。

 

 

協力:作業所ら・ら・ら 

   大キイキ 

高知県障害者文化芸術活動支援事業

 

 

お問い合わせ

藁工ミュージアム(火曜休館/10:00~18:00)

TEL 088-879-6800

MAIL info@warakoh.com