2019年6月28日

6/13(木)、演劇で遊ぶワークショップを開催しました!@県立盲学校

先日6月13日(木)に県立盲学校で行ったワークショップのご報告です。

講師は、藤岡武洋(たけひろ)さん。シアターTACOGURA(たこぐら)という劇団で演出をご担当されています。

 

今回は時間を3回に分けて、幼稚部から中高等部までの生徒さんとワークショップを開催しました。

 

まずは、1時間目。

藤岡さん(通称:たけちゃん)からごあいさつ。簡単にストレッチをして、準備は万端!これから、体を使って遊んでいきます。

集まったみんなで円をつくり、向かい合って座ると、早速ゲームが始まりました。

 

たけちゃんが「でーましょ、でましょ」という掛け声をかけ、参加者は「なーにがでましょ」と返答します。たけちゃんは「男の子でましょ♪」と呼びかけ。

参加者の中で自分が男の子だと思った人は、円の内側に一歩進んで「イェイッ♪」と言いながら思い思いのポーズをします。

「イェイッ♪」と答えた人がまた元の円に戻ったら、再び「でーましょ、でましょ」の掛け声でゲームが続いていきます。

 

「なーにがでましょ?」

「今日朝ごはんを食べた人、出―ましょ!」

 

生徒さん全員が、一歩前に進んで「イェイッ♪」。みなさん、優秀です。

 

「猫が好きな人」の呼び掛けには「にゃぁ♪」と言ってポーズ。

「美しいズボンをはいている人」「カワイイ人」…。集まったみんなのことが少しづつわかってきて、だんだん緊張が解けてきました。

次に、絵本の読み聞かせを基にして体を動かしていきます。

今回取り上げた絵本は、市居みかさん作の「いっぽんみちをあるいていたら」。

 

たけちゃんが絵本を読んでいきます。

「いっぽんみちを あるいていたら…」

一度読み聞かせを終えた後、もう一度お話の最初から、今度はたけちゃんが読むその言葉に合わせて、みんなで一本道を歩いているように体を動かしていきます。

「てくてく てくてく」

 

「むこうから だれかが やってきた」

 

「大きい人がやってきました」

たけちゃんの声に従って、みんなで大きい人をやってみます。立ち上がって体をいっぱいに広げ、大きい人になれたかな。

 

次々と一本道の向こうからいろんな人がやってきます。

「小さい人」「長い人」「腰の曲がったおばあさん」…。

小さく丸まって股の下を潜り抜けたり、他のお友達とつながって長くなったり、腰を曲げてみたり、いろんな動きをやってみる楽しい時間になりました。

 

続いて2限目。

自己紹介、「でーましょでましょ」ゲームで徐々に集まったみんなが慣れてきたら、次に拍手を使った遊びでウォーミングアップをしていきます。

 

円になって向かいあい、右隣の人に「パチンッ」と拍手をし、リレー形式で拍手を回していきます。

ストップウォッチでタイムを計ると、大盛り上がり!できるだけタイムを縮めるようみんなで声掛けあいました。

 

次に、「パチンッ」という拍手の音を、キャッチボールのように誰かに投げて、回していきます。

そして、だんだんテンポ良く拍手を回せるようになってきたら、今度は割り箸を使ってストレッチ。

二人一組でペアになり、向かい合って割り箸の端と端を持ちます。

ひとりが動くと、もう一人はその動きにつられて動かなければなりません。

二人組が行ったり来たり、まるで踊っているようでした。

 

次は絵本の時間。

いっぽんみちのむこうからやってくる人に、次々変身していきます。

「大きい人」は、軽々とたけちゃんを跨ぎ、

「腰のまがったおばあさん」は、本当におばあさんみたい。

「長い人」。みんなそれぞれが長い人になったり、

みんなで1匹のながーいネコになったり。

言葉1つで表現方法がたくさんありますね。

 

最後にみんなで床に寝っころがってストレッチ。

体と心がほぐれるような心地のよい時間となりました。

 

3限目。

最後は、高学部の生徒さんと先生方も交えて、簡単な劇をやってみました。

その前に、ランダムウォークというゲームで軽く体を慣らします。

 周りの人にぶつからないように、決められた範囲内をランダムに歩きます。

たけちゃんが「ストップ」というと、みんなでその場に止まったり、「クラップ」というと、みんなで手を叩いたり。言葉の合図を手掛かりに、体を動かしていきます。

 

次に、二人一組で背中合わせに腕を組んだ状態で、座ります。意外と難しい。

たけちゃんが「背中で喧嘩してみて」と不思議な指示を出しました。

女子グループは困惑。しかし、男子グループはどこか息があっているようで、難しい指示もさらりとこなしていました。とても仲が良さそうですね。

 

さて、いよいよ本題の劇の準備が始まりました。

男女でグループに分かれ、たけちゃんが用意してきた台本を読み上げながら、劇全体の流れをつかんでいきます。

 

グループごとに、設定を考えてもらったりいくつかセリフを考えてもらいます。

舞台の設定はなんと、女子トイレの中ということに。

(写真中下のマットの部分は、「女子トイレの手洗い場」という設定)

困惑しながらも、何とか役をこなしてくれる男子たち。独特の緊張感が漂いつつも、リアル感ある一幕で、演じ終えた後はみんな笑顔。

 

あっという間に時間が過ぎ、楽しいワークショップの時間が終わりました。

参加してくださった盲学校のみなさん、講師のたけちゃん、他スタッフの皆様、本当にお疲れさまでした。

 

今回のワークショップは、障がいのある方など多様な人とともにお互いの存在を楽しみながら演劇作品をつくり上演することを目的とした「いろいろいろを楽しむ演劇プロジェクト」の一環としての開催。

今回のワークショップをきっかけに、今後も演劇に親しんでもらえれば良いですね。

 

 

島崎