2022年2月5日(土)~2月22日(火)

芸術の四国遍路展 高知編

来るべき時のために、アーティスト達は友達になる。

CONCEPT

世間一般的にアートというのは日常生活には直接あまり関係ないもののように言われておりますが、同時に世界的にアートは都市の成熟度を測るバロメーターとして、最重要視されてきた歴史もあります。特に技法にこだわらず自由な発想で表現する現代アートというのは最近地域の活性化の話題作りとして大変注目されていまして、地方都市の歴史や文化の掘り起こし、観光資源の再発見に大きく寄与しているという実績もあります。

今回「芸術の四国遍路展」の企画者の一人である僕も、2011年3月11日の東日本大震災の最大の被災都市といわれる石巻市に現在居住し、地元主催の国際芸術祭参加やボランティア活動などを通じてアートによる復興支援に取り組んでまいりました。

そこで感じるのは最近本当に予期せぬ災害や事故、困難が起きるたびに物質的な支援や救援は国や行政がまかなえるとしても、被災して傷ついた人の心や避難などでバラバラになったコミュニティといったものは物やお金ではなかなか元どおりには戻らないという事です。逆に言えば地域のネットワークや人と人の交流そういった人的ネットワークに普段から力を入れている地域はとてもまとまりやすく復興も早いという事は挙げられます。脅威を乗り越えるにはお金や物では得られない心のつながりが必要なのです。

2020年、僕は東日本大震災の犠牲に遭われた方の供養とコロナの1日も早い沈静化を祈念する為に四国遍路を巡礼しておりましたところ、各寺に同じスローガンで「四国は一つ」というメッセージが貼られている事に気がつきました。実際四国を巡礼し結願してみて思ったのは四国は島でできていて大変小さい。この四国にはまだ東日本大震災のような未曾有の大災害は起きてはいないが近い将来必ず来ると言われている。もし何かが起こった時四国は陸続きではないのだから、本州や国の支援をどこまであてにできるのかわからない。四国は四国で今こそひとつになる必要があるのだが、それはどうやって、、そう考えた時に今回の「芸術の四国遍路展」のアイデアが浮かびました。僕が今東日本でやっているアートによる人と人ををつないでいくやり方をはまだ南海トラフが来ていない四国でも有効であるという考え方です。

さらに心配なのは震災だけではないかもしれません。今日本は様々な問題を抱えています。高齢化、少子化、都市部との格差、じわじわと地域の人と人のつながりがピンチになっていく諸問題を四国は抱えており、それは今後郷土をどのように暮らしやすい街にすれば良いのかというまちづくりにもやはり直結していく待った無しの問題だと考えました。

去年1年かけて声かけリサーチさせていただいたところ、四国にはアートシーンがありました。本当に才能あるユニークなアーティストがたくさん住んでいて、しかもそれは立派な公共の美術館で活動するだけではなく、ただひたすらに面白いからやっているような、そんなオルタナティブな活動を果敢に挑み続けているそういう作家さんもたくさんいるということを発見し、みなで共有したいという手応えを感じました。

まず第一回目の芸術の四国遍路展といたしましては、徳島、高知、愛媛、香川にゆかりのあるアーティストを各県で3名お声かけさせていただいて、合計12名と僕で開催させていただくことになりました。できれば、一回だけで終わる事なく、繰り返し作家の交流が行われる事をきっかけに四国4県が気軽に行ったり来たりしながらつながりを太くし、四国全体がアートで活発になっていく事でいざというとき、助け合える社会につながっていけば良い、そんな未来をイメージしながら「芸術の四国遍路展」はスタートしていきます。

とは言え、「芸術の四国遍路展」は美しい言葉ばかり並べてもやってはいられません。なぜなら芸術、アートというものは本当に表現が自由すぎて個性的すぎるものだからです。うまくいけばいいけれど本当のところは展覧会が始まってみないと誰もわからないし、途中で意見が分かれたり喧嘩だってあるかもしれません。現実そういうことは経験上アートの文脈においてよく起きるんです。だからこそ僕は「四国は一つ」とこっそりもう一つのテーマをこしらえました。それは「アートより友達」というスローガンです。作家リストをみていただければわかりますがメンバーの表現領域は実に多様性に満ちています。音楽あり陶芸あり木彫、絵画etc..。とてもじゃないがまとまりがないように見えますが、、本当は目に見える作品の向こう側にある心のつながりがアートの可能性を引き出してくれるのではないかと期待しています。ゆるい連帯と無限の多様性、まだ誰もみたことのないような展覧会はそういうところから生まれるものだと確信しており、夢を語らせていただくならばそういう心の開放の祭典を四国から世界へ発信していくことができればと思っています。

芸術ハカセは見た!代表パルコキノシタ

概要

[会期]2022年2月5日(土)~2月22日(火)

[会場]■第1会場:藁工ミュージアム
    〒781-0074 高知市南金田28 アートゾーン藁工倉庫
    TEL&FAX 088-879-6800
 
    作品展示やワークショップを行います。 
    10:00~18:00(最終入館は17:30)/火曜休館
    ※2月22日(火)は開館

   ■第2会場:Art nest YOMO(チェルベロコーヒー内)
    〒780-0056 高知市北本町3-11-35
    TEL&FAX 088-879-6820
 
    アーティスト関連の物販を行います。

    11:30~17:00/火曜・水曜休館
    ※2月22日(火)は開館

出展作家

香川所縁作家
 あんどさきこ
 天歌布武信長 
 ミズカ

徳島所縁作家
 金藤みなみ
 富松篤
 早渕太亮

高知所縁作家
 石井葉子
 ミヤタケイコ
 柳本悠花 

愛媛所縁作家
 海野貴彦
 神山恭昭
 工藤冬里

遍路小坊主:パルコキノシタ

関連イベント

■あんどさきこライブ

[日時]2022年2月5日(土)14:00~(終了未定)

[会場]ミニシアター蛸蔵(〒781-0074 高知市南金田28 アートゾーン藁工倉庫)

 

■信長とガードレールズ 四国でできた家臣バンド

[日時]2022年2月6日(日)13:00~(約1時間程度)

[会場]ミニシアター蛸蔵(〒781-0074 高知市南金田28 アートゾーン藁工倉庫)

 

ミズカワークショップ

[日時]2022年2月6日(日)時間未定

[会場]藁工ミュージアム

※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ワークショップは中止させていただくことになりました。楽しみにしてくださっていた皆様にはご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。何卒ご了承ください。

巡回情報

「芸術の四国遍路展」公式ウェブサイト

○徳島「第三回芸術ハカセは見た!~芸術の四国遍路展 徳島編」
[会期]2022 年1月25日(火)~2月2日(水)
   9:30~17:00(入場時間は16:30まで)/月曜日休館、祝日の翌日(日曜・祝日の場合は開館)
[会場]徳島城博物館
   〒770-0851 徳島県徳島市徳島町城内 1 番地の 8
   TEL 088-656-2525/FAX 088-656-2466
[入館料]大人 300 円/学生 200 円/中学生以下無料

 

○愛媛「芸術の四国遍路展 愛媛編」
[会期]2022 年2月24日(木)~3月8日(火)
   11:00~19:00(最終日は17:00まで)/水曜休み
[会場]ギャラリー リブ・アート
   〒790-0012 愛媛県松山市湊町4丁目 12-9 メゾンM2ビル3F
   Tel & Fax:089-941-9558

 

○香川「芸術の四国遍路展 香川編」

[会期]2022 年 5 月 21 日(土)~ 6 月 26 日(日)
   9:00~17:00(入室は16:30まで)/月曜日休館、祝日の翌日(日曜・祝日の場合は開館)
[会場]高松市塩江美術館 SHIONOE ART MUSEUM
   〒761-1611 香川県高松市塩江町安原上 602 番地
   TEL 087-893-1800/FAX 087-893-1833
[入館料]大人 300 円/大学生 150 円/高校生以下無料