2017年7月22日

ちいさな蔵の展覧会2017春 桜水孝一さん来館

梅雨明けから一気に夏らしくなり、

暑い日が続きますね。

藁工ミュージアム敷地内でもセミが元気に鳴いています。

 

先日、現在開催中の「ちいさな蔵の展覧会2017春」出展作家の

桜水孝一さんが来館されました。

 

 

背景作品

「動乱と武力廃棄によるメシヤの救済平和への道」

制作年不明

2008年 第12回 スピリットアート(高知県障害者美術展) 絵画の部 特選

 

来館の記念に写真を撮らせてくださいとお願いすると、

ぜひこの作品の前で、とおっしゃった桜水さん。

この作品への思い入れが特に強いそうで、

30ほど(!)の想いや内容がこの絵につまっているそうです。

 

桜水孝一さんは1938年生まれ、高知県在住。

少年のころにキリスト教と出会い、聖書の世界を描き続けています。

 

来館された際、作品についていろいろとお話を伺うことができました。

 

今回展示している作品のほとんどはキリスト教にかかわる作品なのですが、

実は2点だけ、ちょっと雰囲気の異なる作品があります。

 

それがこちら

「新道開通式」

制作年不明

2014年 第18回 スピリットアート(高知県障害者美術展) 絵画の部 入選

「近代事務の革新によるその様態」

制作年不明

2012年 第16回 スピリットアート(高知県障害者美術展) 絵画の部 褒状

 

弟さんから「キリスト教ばっかり描いていないで、現代的な絵も描いてみたら」と

言われたことがきっかけで描いた作品だそう。

確かにパソコンや時計、ビルなど他の作品には出てこない、

現代的なモチーフが登場しています。

 

それでもやはり桜水さんの世界観はこの2作品にも表れています。

2作品の背景にある十字架。

 

 

桜水さん曰く「近代的ではあるものの、キリスト教の世界観にも通ずるように描いた」そう。

他の作品ではなく、この2作品にとても惹かれるというお客様も多いです。

 

現在、桜水さんは次回スピリットアート展出展作品を制作中とのことで、

新作には桜水さんの詩があわせて書かれているそうです。

 

今回の展示作品にも詩が書かれているもの1点あります。

それがこちら

「爽快なる空中雄飛光の園へ」

制作年不明

2016年 第16回スピリットアート(高知県障害者美術展)絵画の部 入選

 

この詩は聖書からの引用ではなく、桜水さんご自身が書かれた詩。

この詩に出てくる「八端十字架」というのは

背景に描かれている、いわゆる一般的な十字架に1本横棒と、

その下にさらに斜めの横棒が加わったものだそう。

 

描かれている4人は家族だそう。

 

詩には桜水さんの想いが込められています。

正義、信託、愛慕、真価、、、

キリスト教を信仰されている桜水さんだからこそ描くことのできる世界観。

 

 

どの作品も美しい色使いで描かれており、どこか東欧的な雰囲気も感じます。

ある鑑賞者の方は、描かれて人物たちから

どこか日本の戦時中の雰囲気のようなものも感じられるとおっしゃっていました。

観るものを引き込むような力をもった桜水さんの作品。

ぜひ、直接ご覧いただきたいです。

「ちいさな蔵の展覧会2017春」は7月30日(日)まで。

チケットの半券をお持ちの方は会期中、何度でも再入場できますので、

ぜひご活用くださいね。

 

ちいさな蔵の展覧会2017春

会期:~2017年7月30日(日)

開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)

※24(月)は17:30閉館(入館は17:00まで)

 28(金)は16:30閉館(入館は16:00まで)

観覧料:一般200円/高校生以下の方、障がい者手帳・療育手帳をお持ちの方と介助者1名は無料